本沈香とは?


写真画像:ベトナム産本沈香原木

沈香とはジンチョウゲ科ジンコウ属(学名:Aquilaria agallocha)の植物が樹皮が傷ついた際に樹木自身の防衛反応で樹木が樹脂を分泌し、その分泌された樹木部分を指します。また、朽ちた状態で土中や水中でバクテリアに分解されて非常に良い香りとなる部分を指します。原木は、比重0.5程度と軽いですが樹脂が沈着することで比重が重くなり水に沈みます。従って沈香は別名「水沈香」という名前をもっています。樹木自身は幹、花、葉ともにこの樹木自体は香りは無いですが、このバクテリアの樹脂分解等によって独特の芳香を放ちます。同じ樹木から採取したものであっても部位や分解度合いによって色合いや香りや重さが異なります。日本では古代から貴族・皇族がこの香りの違いを楽しんだり、違いを判別する独特の文化である香道が発展しています。沈香は香りの種類、産地などを手がかりとして、いくつかの種類に分類されます。その中でベトナム産の沈香において良質の原木で特に人気があり、良い香りがするものを一般に「伽羅」と呼びますが、これは業者などが販売しやすい様に名付けたものです。沈香は過去、乱獲されたため、通称ワシントン条約の希少品目第U類に指定されており、ベトナム産の沈香は現在ではほぼ採取不能状態です。現在採取されているものはインドネシア・フィリピンなど他の東南アジア地域産のものと中国海南島・台湾など人によって植林され一種養殖されたものです。東大寺正倉院にある沈香が各時代の権力者によって一部が切り取られてきたことは有名です。




本緑檀とは?


写真画像:本緑檀の角材とマテ茶、本緑檀で作成されたマテ壷

本緑檀とはハマビシ科ブルネシア属(Zygophyllaceae Bulnesia)の樹木で内部が空気に触れて化学反応することによって緑色となり、甘い良い香りのする非常に希少な香木です。本緑檀はパロサント(Palo Santo)という現地では神の木と称される香木です(正式学名:Bulnesia sarmientoi Lorentz)。近類種のハマビシ科グアイアクム属(Guaiacum officinale、G.sanctum 、G.guatemalense)の一般的に流通し、種類が豊富なリグナムバイタ(Lignum-Vitae)という一般的な緑檀とは異なります。本緑檀は神の木と呼ばれ、緑檀は癒瘡木または生命の木と呼ばれています。本緑檀(パロサント)は普通の緑檀と異なり、アルゼンチン・ボリビア・パラグアイ・ブラジルにまたがるグランチャコと呼ばれる極めて限定的な地域の固有種であり、開拓と伐採、乱獲から現在では絶滅が危ぶまれています。種の存続が危ぶまれるため、アルゼンチンでは2008年に通称ワシントン条約で付属書V類に指定し、国際的取引と乱獲規制をしました。これは本緑檀が生育の遅い硬木である理由も挙げられています。2010年3月13〜25日の第15回ワシントン条約締約国会議(カタール・ドーハ ラウンド)の改正において、より規制度の強い付属書第U類の格上げが決定されました(2010年10月14日日本国発効)。一般の緑檀(リグナムバイタ)は種子及び花粉、包装された小売取引用に準備された完成品を除きますが、本緑檀(パロサント)は一般の緑檀(リグナムバイタ)よりも厳しい規制がかかり、丸太、製材品、薄板、合板、粉末並びに抽出物全てにおいて本条約の適用を受けることとなりました。本緑檀は緑檀と比べて希少価値の高い香木となりました。本緑檀の性質は一般的な緑檀と異なり、木目がきめ細かく、特有の甘く、優しい香りが特徴です。さらに、本緑檀は緑檀よりも香りが濃厚で、その油分は精油(アロマ)としてヨーロッパ、日本でも非常に高い人気を誇り、使用されています。本緑檀(パロサント)は古代からシャーマンが様々な効用のある薬としても使用してきました。近年では更なる病薬治療の研究対象として研究されています。
なお、日昇堂貿易は2000年(平成12年)からパロサントを直接パラグアイなどの南米から原木を輸入して外地自社工場にて加工し、業界において日本国内で初めて紹介した貿易業者です。2005年からリグナムバイタや単なる木などに香り付けや染色を行っている粗悪品が出回ったため、2003年3月からパロサントでカット加工のみされた天然品を「本緑檀」と命名いたしました。したがって、一般に販売されている緑檀とは全く品質と香木の種類が異なることを特記しております(「本緑檀」を広くご利用いただくため、または一般の緑檀とは異なるということを広く認知して頂くために、この名称を特段、商標登録など独占的に利用する法的手続きはしておりません。但し、本文献を利用する場合は弊社に一言連絡の上、ご使用頂きたくお願いいたします。)。

※残念ながら、再三弊社のHP上で業者の方へ偽物や粗悪品の販売をしないようにお願いをしてまいりましたが、2012年頃から、特にインターネット上でパロサントではない、単なる染色した木や香り付した木を使用して、パロサント(本緑檀)と称したブレスレットなどの粗悪品が出回っていることを確認しております。本緑檀(パロサント)は弊社が日本で初めてパラグアイから原木を輸入し、自社工場で加工したもので、原則として弊社と弊社卸先問屋のみで販売されております。特に粗悪品は色味や香り、価格帯が本緑檀(パロサント)と異なりますので、ご注意ください。(当然ながら、本緑檀は日本の裏側から空輸・船便で輸送され、外地工場で加工の後、日本に再輸入されますので、その分、天然の本緑檀は輸送コストや関税コストが非常にかかってしまいますので、量が多くとも価格が格安になることは御座いませんのでその点ご注意ください。)

※2013年頃から、インターネット上で弊社に連絡なく、勝手に数件の業者が本文献を許諾なく利用していることを確認しております。
本緑檀の名称を使用して販売する業者の方へ:個人ではなく、営利を目的としている業者であることを大いに自覚して、単に本文献をコピーして貼り付けするだけではなく、ご自身で大いに研究して頂きたいと考えます。また、臭い付けや染色を行った本緑檀と称する偽物を販売しないように強くお願いします。そもそも、本緑檀は、緑檀とは異なり、臭い付けや染色などを行っていない、天然無垢の香木からカットしたもののみを指すことによって、消費者に自然天然のものを知って頂くことを目的として、弊社日昇堂貿易が日本で初めて命名した経緯があります。その安心・天然の普及のために、商標登録など名称独占手続きを行わなかったのであるから、業者はこのことをよく理解して本緑檀の名称を使用するように強く要求します。





写真画像左側はタイ産、右側はブラジル産


木化石は古代の樹木が何かしらの原因で土砂等に埋もれ、化石化したものです。年代は何十万年前のものから何億万年前のものまで実に多様です。そして、この木化石は木の温かみと独特な神秘的雰囲気を持っていることから昔から重宝されてきました。木化石はアルゼンチン共和国・ブラジル・アフリカ等から産出され、産地によって色や状態などが異なります。木化石の一種珪化木は、地層に埋もれた木の幹が地層の中で土砂等で押しつぶされる前の状態で、川などの水に含まれている珪酸(酸素と珪素の化合物)が染み込んで細胞間の成分を置き換えることによってできます。木化石は最近、その温かみや神秘さからインテリア・リラクゼーションとして置物・イス・テーブル等においても人気となっています。この古代の樹木が化石化した硬い鉱物、木化石を用いて作った腕輪や数珠は加工技術的にも貴重な一品です。また、古代の既に絶滅した樹木の研究用にも最適です。木のぬくもりと化石である所以のロマンがある一品といえます。



柘植(黄楊・ツゲ)とは?

柘植(ツゲ・黄楊)とはツゲ科ツゲ属の常緑樹木です。材質は黄褐色で木目は緻密、その硬い性質から日本では印鑑の材料や将棋の駒などに昔から使用されています。成長が遅く、幹が太くなるまでに相当の時間を要します。その現在では貴重となった柘植で作成されたビーズは貴重な一品といえます。当方では柘植の骸骨彫りビーズやブレスレットなどを扱っております。





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